2つの泉州、交流事業

 さて、年も明けたところですが、バタバタとしております。というのは、明日、2025年1月5日より、木川は中華人民共和国、泉州市を訪問することになっているからです。なぜ訪問するのか?それはKIX泉州ツーリズムビューロー(以下:KIX泉州)のプロジェクト「2つの泉州」青少年交流事業、に和歌山大学観光学部木川研究室として協力しているからです。このプロジェクトは簡単にいうと、関西国際空港が域内にあるDMOであるKIX泉州が、中国の泉州市と大阪の泉州地域との交流を促進したい。そのためにまずはそれぞれの地域の大学生たちが、それぞれの地域を紹介する観光映像を制作して、お互いに見せ合おう、というそういうものです。

 この事業が始まったのは昨年度からで、そのためにKIX泉州の寄附講座で木川は映像制作の授業を担当しています。

 中国側の泉州、中華人民共和国福建省泉州市は海のシルクロードの出発点として長い歴史の中で交流の拠点として発展し、日本との交流においても特に琉球を経由するルートの出発点として重要な港でした。そして、日本側の泉州、大阪の泉州地区にはかつての国際都市、堺市があり、また現在は関西国際空港があり、過去、現在において国際交流の拠点となっています。

  堺の歴史については、昨年のCIFFTの世界ランキング2位となった映像、「So, the Story Begins – ようこそ、あなたの物語がはじまる街へ」をご参照ください。

 昨年度は、オンラインでの交流でした。日本側からは羽衣国際大学と和歌山大学、中国側からは華僑大学、泉州師範学院、黎明職業大学、泉州幼児師範高等専門学校が参加、また在日本中国総領事館の方も参加しての開催でした。

 でも、開催して驚くことが。中国側のレベルが高いの高いの。日本側の映像もひどいわけではないのです。むしろ、寄附講座で始まった「観光と視覚」の受講生も、初めての映像とは思えないだけのいい映像を作ってくれたのですが、向こうの映像のレベルが本当に高かったのです。その映像は、日本国際観光映像祭で上映したので、当日のLIVE映像の2:18:00ぐらいから、2:43:00で見ることができます。

 驚きのレベルです。というか、普通に映像祭に応募してもらっても、一般部門で受賞するのでは、と思う作品ばかりでした。

 そして、今年は満を持して、対面での交流です。昨年の中国側の作品を学生たちには見てもらって、目指してもらいましたが、やはりそこまでのものにはならない。でも、やはり誰かに届けたい!という気持ちが映像にはのります。二つだけ、紹介したいと思います。

 まず初めの映像は、泉州地域全体を紹介した映像。こちらは「観光と視覚」の授業を受けた学生を中心に、木川研究室の学生たちが制作した映像「Senshu Trip」です。

 この映像は、おそらく、若者としてとりあえず泉州地域で押さえておくべきところを紹介しています。特に最近は、泉南ロングパークなど、おしゃれなところもできています。

 もう一本は、「観光と視覚」の授業で制作された映像です。女子3人の女子旅なのですが、当初は違うところで撮影予定でした。しかし、そこでの撮影が難しい、ということが当日わかったので、どこに行こうか、と選んだのが泉佐野の漁港。こちらの方では、和歌山大学の学生ということで交渉した結果、セリも撮影させてもらえたようです。

 初めて撮ったとは思えないような映像。ビギナーズラックとも言えますし、やはりタコとかの映像へのキャプションとかは、若者ならではの感性なのかもしれないですね。

 ということで、明日から行ってきます。どんな反応を受けるのか。また、中国側はどれほどのすごい映像を作ってくるのか?実は中国側の映像に素晴らしいのがあれば、その映像の監督を3月に岡山県真庭市で開催される日本国際観光映像祭に招待をしようと思っています。

 いろいろなことがあるので、中国との交流についてはいろいろ思われる方はいるでしょう。しかし、観光とはこういうことです。そして、若者たちの相互理解を進めていくこと、これはとても大切なことだと思います。

木川剛志, 教授, 和歌山大学観光学部

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